仕事は会議室で決まっているのではない!
事前の根回しで決まるのだ!
私は旅行会社勤めで営業をしています。JTBやHIS、クラブツーリズムのような名前が世の中に売れているような旅行会社ではなく、言わば中小企業です。私の勤めている会社は、御一行様の団体バスツアーの手配を得意としています。もちろんご依頼頂ければ、個人旅行のお宿や新幹線の手配も、海外旅行の飛行機やツアーの手配も致します。
仕事は会議室で決まるのではない!
名前が知れ渡っていない我々のような小さな会社は、待っていても仕事はやって来ません。営業に行かなければ仕事はやって来ません。見積もり依頼は頂きますが、大きな仕事であればあるほど相見積もりです。会長や役員の皆様が、それを見てどの旅行会社を使おうか会議して決めるかと思いますが、企画が良くても決まるとは限らないのが難しいところです。
団体様ごとに特色があって、旅行代金が安いところが選ばれたり、昼食内容が良いところが選ばれたり、酒造見学さえ入っていれば決まったり、あとは義理と人情ということで、長年のお付き合いしている旅行会社に決まったりと、重点を置いている部分が団体様ごとに違います。私たちが良いと思って提案した企画が、お客様にとっても良い企画とは限らないということです。企画において、その重点を知らないと話になりません。
我々の営業法としては、企画が出来たらプレゼン会議の前にお客様に出来た企画を見せに行きます。情報は多いに越したことはないので、会議に出席するであろう人、会える人全員に会いにいきます。反応が良くなければ変更したり、良ければ自信を持ってプレゼンに挑めます!お客様の中には、友好的な人もいれば、我々の企画を他社に情報流された疑惑のある行為もありました(ライバル会社に企画を真似された上に、旅行代金を安くされてしまいました笑)
旅行を決める上でキーマンとなる人が必ずいます。相見積もりで勝つためにはキーマンが誰であるかを把握することが重要です。キーマンを見つけるのは、私の上司が得意としています。プレゼンの中で一番発言力の強い人を見つけ出すことが出来れば、負けても次に繋げることが出来ます。とはいえ、多数決で決まることの方が多いので、我々の会社に票を入れてくれる味方を増やしていくしかないんです。
なので、上司曰く、会議の前にどこの会社に依頼がいくのか決まっているようなものだと言うのです。会議の前から、お客様の中にはどんな企画が出てこようと、どの旅行会社に票を入れるか決めている人もいる。新規営業先はアウェーな戦場ですが、ひとつひとつの情報の積み重ねで、見積もりを出し続け、キーマンを把握し、味方を増やしていくことで、相見積もりは勝ちを得ることが出来ます。私の上司は良くも悪くも諦めが悪いので、仕事が取れるまでは絶対に諦めずに行けるだけ営業に行くので、絶対に敵に回したくないタイプの人間です。実際、その営業戦法で歴史ある数々のライバル会社から仕事を上司も私も勝ち取ってきました!ライバル会社の人達からは嫌われているでしょうね(笑)
印象に残る営業マン
上司は私からしたら、しつこいくらいに電話したり営業に行ったりしています。だからこそ、印象に残りやすい営業マンなのだと思います。もう退職してしまった私の元直属の上司は「何でも良いから爪痕を残せる営業マンであれ!」と語っていました。その上司は身体も声も大きくて、特に声の大きさに関しては、その人が喋りだすと同じ部屋にいる他の人の声が聞こえなくなってしまうくらいに・・・。
良い印象を残すことも大切ですが、お客様が会社の名前を見たときに、我々営業マンの顔が思い浮かばなければ売り込みが足りないということですね。営業マンの顔が思い浮かばない会社には依頼は来ないでしょう。
非常に残念なことですが、私は自分を売り込むことにおいて、とことん自信がありません。下手くそです。営業マンに向いてないと未だに思っています。交渉も苦手だし、数字も果てしなく苦手だし・・・そんな私が7年もこの仕事を続けることが出来たのは、添乗が楽しかったからです。特に自分が作った企画で、お客様が喜んでくれて、最後の挨拶の時に大きな拍手を頂けた時に今までの苦労や苦悩が全て報われます。
私は、高校時代は演劇部で、卒業後声優を目指していた時期もあったので、学生時代は活舌を頑張っていましたし、声色を変えて喋る事は楽しんでやっていました。それを添乗に生かして、重要なご案内に関してはドスをきかせてみたり、バスガイド風に喋ってみたり、急にお相撲さんみたいな声を出したり、巻き舌で喋ってみたりしていく内に、とある界隈では【七色の声を持つ添乗員】と言われているとか(笑)
大変ありがたいことに、いつの間にかご指名を頂けるような添乗員になってきまして、私は営業はバリバリ苦手だけど会社にいて良いんだと、ようやく会社の自分の居場所と武器を見つけることが出来ました。私は、リピーターのお客様を大切に今後とも頑張っていきます!
出来ないよりは出来た方が良い
私は営業マンを尊敬しています。なぜならば、営業マンがいなければ売上も利益も生まれないからです。私の給料は営業マンの皆が頑張ってるおかげで頂けています。一応私も営業マンですが、ガンガン仕事を取ってこれる営業マンは本当に凄いと思います。昨年は、自分の年間の給料分の利益すら上げられませんでした。ここ最近は見積もり依頼も舞い込んでくるようになりましたので、現段階での決まってるお仕事や見込みの仕事を計算すると、9月で昨年度の利益を超えることが出来るかと思います。
営業マンの苦労を知っているからこそ、ひとつひとつの添乗が大切に思えるのも事実なので、添乗特化型の営業マンですが、営業マンが、上司が、私が、営業しやすいようにするべく、自信を持ってオススメできる企画作りに励んでいきたいと思います!